ゾーイ・クラインマン テクノロジー・AI編集長
この議論が揉めている本当の背景は、ここにあります。
結論から言えば、アメリカのAIはバブル崩壊の前夜にある。2000年前後のインターネット・バブル崩壊とよく似た構図です。
AIはこれだけ話題になり、投資も過熱しています。しかし、AnthropicもOpenAIも含め、アメリカの大手AI企業の多くは、いまだ巨額の投資を必要とする赤字体質から抜け出せていません。
AI計算力への投資が過熱する一方で、それを受け止める実体経済、とりわけ製造業の成長が追いついていない。巨額の投資が十分な利益に転換されないうえ、データセンターの急増はアメリカの電力インフラにも大きな負荷をかけています。
国民生活への負担も増すなか、過熱したAI投資を縮小しようとする動きが出てくる。私は、ここに現在の「AIリスク論」の原点があると見ています。
一方、中国は真逆です。
中国では、AIの計算力や導入速度のほうが、実体経済、とりわけ製造業の発展に追いついていない。
さらにアメリカによる制裁などもあるため、中国政府は意図的にAI投資の過熱を抑えながら、安全保障上の防衛線を固め、計算力・電力・通信などのインフラ整備を進めている。
つまり、同じ「AIへの警戒」に見えても、米中ではその背景にある経済構造がまったく違う、ということです。